急いでいるとき、疲れたとき、休みの日など「洗顔するのが面倒くさい」「洗顔する時間よりも○○を優先させたい」という場合があるかと思います。
洗顔は、肌をきれいにするということはわかっていても、つい手を抜いてしまいます。
具体的に洗顔がどのように肌の美しさを引き出すかを知れば、洗顔が好きになるかも!?
目次
洗顔をしないと肌はどうなる?
きれいな肌への基本となる洗顔。
もしも洗顔をしなかったらどうなるのでしょう。
肌は常に生まれ変わっています。
表皮のいちばん下の「基底層」で生まれた肌の細胞は約1ヶ月かけて成長しながら表皮までのぼっていき、最後はアカとなってはがれ落ちます。
これは肌のターンオーバーと呼ばれる新陳代謝が正常に行われている状態です。
もしも洗顔をしないと肌表面には汚れがとどまり、古くなった角質がはがれ落ちずにそのまま蓄積していきます。
そうやってメラニンを含んだ角質が肌をくすませてしまいます。
一説には「朝はぬるま湯で洗顔するだけでじゅうぶん」という話を聞いたことがありませんか?
理論上は汗やホコリなどの水溶性の汚れはぬるま湯でも落ちます。
しかし実際、難しいのは汗やホコリが肌の皮脂と混ざっているということ。
油のついたお皿を洗うときに洗剤を使うことを考えれば、ぬるま湯だけでは肌の汚れは落としきれないのです。
肌の汚れには洗顔料を使いましょう
肌の汚れはおおまかに分けると3つあります。
・肌にのったメイク
・大気汚染粒子(ホコリ、排気ガス、PM2.5など)
・古い角質や酸化した皮脂
これらが入り混じった状態なのです。
水溶性、油溶性どちらの汚れも落とすにはやっぱり洗顔料が必要になってきます。
洗顔料を使って洗顔することで、肌表面の汚れがとり除かれると、役目を終えた角質は自然にはがれ落ち、スムーズなターンオーバー(新陳代謝)ができます。
いつも新しい細胞が肌表面にあるため、きれいな肌となるのです。
肌自体が汚れを落とすことができないのですから、洗顔によって落とすしかないのです。
肌のごわつきや、化粧水が肌に入っていかないと感じるときは、肌に汚れが残って角層が厚くなっているのかもしれません。
洗顔がその後のスキンケアを決めるといってもいいでしょう。
くすみに着目したチューブ式の石けんは、かなりおすすめです。
洗顔料を使うとどうして汚れが落ちるのでしょう?
「洗顔料に汚れを落とす成分が入っているからでしょ?」その通りです。
洗剤や洗顔料に含まれる「界面活性剤」が大活躍しているのです。
界面活性剤とは水と油を結び付ける機能をもった物質のことです。
たとえば酢と油だけだと、酢が水分なので混じりあいません。
そこに界面活性剤のレシチンという物質が含まれる卵黄を入れると、見事に混じりあってマヨネーズが出来上がります。
固形物であるチョコレートの包装紙にある原材料のランにも「レシチン」という文字を見たことがあるかと思います。
界面活性剤は身近なところで使われています。
界面活性剤が汚れを落とすしくみ
話を肌に戻しますと、洗顔料に含まれる界面活性剤は、マッチ棒のような形を思い浮かべてください。
頭の太い部分が水になじみやすく、棒の部分が油になじみやすい性質です。
水中では、棒が肌の脂汚れにくっつき、球状を形作ります。
汚れを球に閉じ込めるイメージです。
外側の頭の部分は水となじむため、すすいだときに一緒に流れます。
泡でさらに汚れを落とせる
泡洗顔という言葉は、広く知られていますね。
界面活性剤の力とあわせて、この泡を作って洗顔することでより汚れを落とすことができます。
泡には汚れを吸着する働きがあります。
洗顔料をダイレクトに使うよりも泡立てたほうが、汚れを吸着する面積が増えます。
また同じ量の汚れを落とすなら、泡洗顔のほうが少ない洗顔料の量ですみます。
合成界面活性剤に、いいイメージがない
界面活性剤には天然のものと人工のものがあります。
前述した卵黄に含まれるレシチンは天然界面活性剤です。
悪いイメージとしてとりあげられているのは、人工のなかでも「合成界面活性剤」といわれるものです。
人工の界面活性剤には“せっけん”と“せっけんでないもの”に分けられ、“せっけんでないもの”が合成界面活性剤と呼ばれます。合成というだけあって、その種類や配合にいたっては何千通りもの組み合わせがあり、洗浄力もさまざまです。
合成界面活性剤のなかでも石油由来のもの、植物由来のものがあり、植物由来のほうが肌にやさしいイメージがありますが、一概にそうとも言えません。
石油系、植物系どちらも使用しているものもあり、それを「植物由来の○○」と言ってしまうことができるからです。
最近では、肌への負担が少ない界面活性剤の研究をしている化粧品メーカーも増えてきたので、前ほど過敏になることもありませんが、洗顔後「顔がヒリヒリする」「洗顔後の瞬間から顔のツッパリを感じる」ということがあれば、その洗顔料は自分の肌に合っていません。
洗浄する力が強すぎるということです。
また、洗い残しもトラブルのもと。合成界面活性剤を肌に長くのせていると、肌のバリア機能が破壊されやすいのです。
正しい洗顔をすることがポイントです。
せっけんと合成界面活性剤のちがい
せっけんも人工の界面活性剤ではありますが、合成界面活性剤とはいくつかの違いがあります。
・原料の脂肪酸ナトリウムや脂肪酸カリウムは、肌との親和性が高く安全性の高い成分
・歴史が長く、(約5000年前から)人体や自然にも悪い影響を与えてきていない
・水で薄めると界面活性作用を失うので、もしも洗い残しがあっても肌への刺激が残らない
このように、界面活性剤であるせっけんは肌にやさしい洗顔料といえます。
読んでくださりありがとうございました。