ブラッシングしたり、シャンプーをしたりすると必ずといっていいほど毛は抜けます。
量が多くてドキッとした経験がある人も多いのでは?
「このままだとハゲちゃうかも」でも、抜け毛を防ぐことと、薄毛を防ぐことは別なのです。
『通常のヘアケアと薄毛のヘアケアは異なる点があります』
髪の毛は変わらない
髪にツヤやコシを与えようと、シャンプーやトリートメントをしますが、これはあくまで表面上のことです。
髪の毛自体が太く健康に変わることはありません。
今生えている髪の毛は、これまでの頭皮の影響を受けて成長してきたものなのです。
髪の毛を変えるというのは、これから生えてくる髪の毛のことだと思ってください。
「毛穴に詰まった皮脂をとる」は間違い
薄毛に悩む多くの人は、発毛剤を使ったり育毛サロンに通ったりして、頭皮の皮脂をきれいにします。
けれども、頭皮がかゆくなったり、赤くなったりする場合もあります。
実は、皮脂を取ってしまうことは、逆に頭皮を傷めることにもなるのです。
人間の皮膚は、外からの紫外線や埃といった悪影響を防ぐために、何層にもバリアを張っています。
皮脂膜は皮膚のいちばん外側にあり、角質の水分を保持してくれます。
また、皮膚にある善玉菌の産生物質や汗と混じることで、弱酸性となり細菌の侵入を防いでいるのです。
もともと皮脂は体の中から分泌される液体です。
角質と合体して角栓になったとしても、頭皮の毛穴は顔の毛穴の2倍以上あるので、通常は詰まることはありません。
ただし、毛穴の働きが鈍ったときに、詰ることがあります。
このように、皮脂は体を守るために必要なので、「毛穴に付いた汚れをとる」というほうが正解なのです。
どうして髪の毛が薄くなっていくの?
髪の毛は、成長期→退行期→休止期→脱毛期の順番で生え変わります。
薄毛は、成長期の期間がだんだん短くなって、太い毛になりきれず、細い毛のままで育つため、毛と毛の間隔が広がることから始まります。
髪の毛の寿命も短くなるため、次に生え変わった髪の毛も、以前より細くしか育ちません。
そして次第に頭皮にある髪の毛の数が減っていきます。
女性の場合、頭のてっぺんあたりから前髪、つむじにかけて髪の毛が細くなっていきます。
「髪の分け目が目立つようになってきた」というのは、髪の毛が細くなることで、地肌が見える部分が大きくなったためです。
男性のように、髪の寿命がゼロになるということはあまりありませんが、側面が薄くなったり、全体的に薄くなったりするのが特徴です。
毛穴の汚れをとるのであれば、お湯だけで洗ってもある程度落ちますが、ワックスやヘアフォームを使っていると、皮脂と混じりあってなかなか落とすことができません。
そんなときは、頭皮や髪のことを考えたシャンプーを使うのもおすすめです。
髪の毛が薄くなると抜け毛が増える?
抜け毛の数は1日平均100本程度と言われています。
これは季節によっても変わり、夏から秋のほうが多くなります。
健康な頭皮の状態では、抜けた数を補うだけの太くて丈夫な髪の毛が生えてきます。
一般的に、抜け毛が増えると薄毛になる、抜け毛が減ると薄毛の進行が止まると考えがちですが、実はこれは一時的なものなのです。
髪の毛の生え変わるサイクルは、退行期から休止期にかけて髪の成長が止まります。
そして次に生え変わる毛に押し出されて抜けていきます。
次の毛は毛穴の内部で栄養を蓄えてから生えてきます。
これが大体4ヶ月ほどかかります。
薄毛になるときは、頭皮の栄養状態が悪く、次の毛が育たない状態です。
休止期の髪の毛は押し出されもせず、ただ頭皮に留まっているだけです。
「抜け毛が減った」と勘違いするのです。
生活環境を変えたり、使っているヘアケア剤を変えたりしたことがきっかけとなって、頭皮にストレスが加わると、日常の抜け毛と合わせて、頭皮に留まっているだけの髪の毛が一気に抜け落ちます。
これで薄毛が進行していくのです。
当然、髪の毛がなければ抜け毛もゼロ
頭皮に栄養が行き届いていないと、健康な髪の毛も育たず、細い毛や短い毛になってしまいます。
生えてくる毛も少なくなり、その分抜け毛も減るというわけです。
抜け毛に気を付けても、薄毛を防ぐことにはなりません。
毛の量を増やすということは、本来の髪の毛として成長できるように、髪の本数を維持できるようにする頭皮の状態であることが必要です。
読んでくださりありがとうございました。